【COLUMN】「仕事辞めたい!」と思った時に自分に質問してほしいこと
転職相談を受けていて、転職理由は人ぞれぞれだと感じます。
●自分の経験・スキルを新しいフィールドでチャレンジしたい
●部署異動でこれまで培ってきた経験を活かせなくなったので、転職したい
●会社都合で退職することになった
●仕事の幅を広げたい
●未経験分野にチャレンジしたい
●就業環境を改善したい(人間関係を変えたい、土日出社をなくしたい、残業を少なくしたい)
●ライフステージが変わっていく中で、働き方を変えたい
など。
私は、必ず確認することがあります。
(1)転職をしたい理由、考えるようになったきっかけ
(2)転職をしないと解決しないのか(例:部署異動や上司への働きかけ)
(3)将来の目標、キャリアビジョンは何か
お話を伺うと、理由によっては転職を選択しなくても現職のまま解決できるケースもあるのではないかと感じる時があります。「転職」は“得る”ものももちろんたくさんありますが、気づかぬうちに“失う”ものもあります。私も25歳の時に転職したことがあり、私が転職で得たもの、失ったものをあげてみます。
【転職で得たもの】
- 人事採用領域における基礎と経験
→いまの仕事をする上で、中核となっている基礎と経験を得ました。
- 調整力
→大手企業の人事部門に転職したため、身についたスキルです。
- 分析力
→転職前の会社では、数字設計力は身についていたと思うのですが、膨大なデータを分析したり、課題分析をするようなことはあまり経験がなかったため、転職後に身についたことだと思います。
- 新しい出会い、いまも大切な人脈
→転職前も様々な方々と出会い、素敵な人脈を築けていたと思いますが、転職してからまた違った方々との素敵な出会いがいっぱいありました。
【転職で失ったもの】
- 心許せる同僚や先輩(人間関係)
→もちろんいまでも続いてはいますが、会う人・会う機会は減りました。転職するまでは、その素晴らしい職場環境に気づいてもいませんでした。
- 自分自身に影響力が大きかった尊敬する上司
→新卒の頃その人の背中を見て尊敬し、数年後本気で恩返ししたいと思える上司との出会いがありました。
- それまでの仕事の活躍や成果で得た裁量権や発言権
→当たり前ですが、新会社では、信頼を得るところ(ゼロの状態)からスタートします。
- 社長・役員・上司との垣根が低く、風通しの良い風土
もちろんあの時、転職をすると決断しなかったら、私のいまのキャリアはありません。転職をして得たものはとても大きく、決断にもちろん後悔もありません。ただ、転職という決断は、人生における大きな転機となります。
まず、「仕事辞めたい!」と思ったら、自分自身に6つの質問をしてみてください。
(1)なぜ辞めたいのか
(2)いまの会社で辞めないで続けられる方法はないか
(現状改善できないか、異動できないか、上司と話すことで解決しないか)
(3)自分自身の将来の目標はなにか
(4)転職をすると決めた時は、今回転職してなにを叶えたいのか
(5)今回の転職で将来の目標に近づけているか
(6)いま辞めるべきか、タイミングはいまか
後悔しない転職をするためにも、まずは自分と向き合い、慎重に進めることをお勧めします。就業中だと日ごろの忙しさから、自分自身を振り返る時間を取れていない方も多いです。この機会にこれまでのキャリアの棚卸をするだけでなく、自身の思考性と向き合い、自分の将来や今後のキャリアについても見つめ直してみてください。
将来のキャリアビジョンを描き、いまの転職活動を行っていくことがとても大切です。あくまで転職は目的ではなく、自身のキャリアビジョンや希望を叶えるための手段にすぎません。
ご自身の今後のキャリアやいまのご状況にお悩みの際は、何なりとご相談ください。