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【COLUMN】優秀なエンジニアを採用するために企業が行うべきこと3選

近年、AIやロボティクス関連業界が急速に発達しデジタルトランスフォーメーション(DX)へ投資する企業が増えています。また、政府もデジタル庁を2021年9月1日に発足させICTへの投資が活発化するなど、社会におけるIT需要が高まっています。

その需要の高まりがある一方で、エンジニアの数は不足しており、より採用獲得競争が加速しています。そこでこの記事では、そうした厳しい採用環境において、優秀なエンジニアを採用するために企業が行うべきことを解説します。

エンジニア採用の状況

まず、エンジニアの需要状況、採用環境について見ていきましょう。

人手不足が加速するエンジニア人材

社会におけるIT需要が高まる一方で、エンジニアの数は少なく、年々需給ギャップが拡大しています。経済産業省が2019年3月に公表した「IT人材受給に関する調査」の試算では、2030年にはIT人材が最大約79万人もの人材が不足すると想定されています。

人材の不足を背景に、年々エンジニアの採用は難しくなっています。

(出典:IT人材受給に関する調査」経済産業省

優秀なエンジニアを採用するための3つのポイント

厳しい採用競争に勝ち、優秀なエンジニアを採用するためにはどのような取り組みを行えばよいでしょうか。3つのポイントから解説します。

1. エンジニアが企業を選ぶポイントを知る

エンジニア採用において、「エンジニアの目線で企業を選ぶ動機を知る」ことが重要です。具体的には以下の項目を把握することが重要です。

- 技術を正当に評価する組織風土か

エンジニアは社員の技術を正当に評価する企業かどうかを見ています。評価が属人的であったり、年功序列だったり、研究開発を軽視していたりといった企業は、エンジニアが就業環境として検討する際に他社と比較して意欲が下がってしまう可能性があります。

- 柔軟な働き方ができるか

エンジニアは合理性と効率を重視する傾向にあります。そのため、働く時間・場所を制限しないフレックスタイム、リモートワークの制度があるとエンジニアが集まりやすくなります。また、近年は、優秀なエンジニアは企業内に留まらず、企業外でも自分の技術・スキルを高めたいと考えているケースも多いため、自社以外の就業の機会として副業を認めているかどうかも企業選定の一つとして考える傾向もあります。

- 成長の機会があるか

技術のトレンドが変化するIT業界では、エンジニアは自発的に学習を継続する必要があります。エンジニアのキャリアパスや新しい技術の活用といった点もエンジニアは注目しているでしょう。

- 将来性があるか、組織の目的に共感できるか

優秀なエンジニアほど、チームで仕事をすることに慣れています。したがって企業のミッション・ビジョン・バリューを持ち、それを組織づくりにどのように反映しているのかも、重要な観点です。また、技術を使って社会や顧客の課題解決にどのように貢献しているか、そして、将来どのように事業を発展させていくかも企業選定の一つになりそうです。

2. 現場と連携し、採用要件を固める

エンジニアの採用は、人事(採用担当)と現場のエンジニアの連携が重要です。なぜなら、採用活動がうまくいかない原因として、①人事と現場の採用方針が異なる、②エンジニアの採用市場について人事と現場で理解度にギャップがあることなどが挙げられます。

こうした課題に対処するには、まず、採用活動の方針や取り巻く外部環境について人事と現場が共通認識を持つ必要があります。そのうえで、人事・現場間で、採用したい人材のスキル・経験においてMUST・WANT要件のすり合わせを行いましょう。現場も巻き込んで、採用要件を明確化することが大切です。

3. エンジニアに特化した採用手法を行う

他の職種と比べて特に採用が難しいエンジニアを採用するためには、採用手法を並行して運用しましょう。

エンジニアの採用手法を比較

優秀なエンジニアを採用するための方法についてそれぞれ比較をしながら解説します。

1. リファラル

リファラルとは、自社の社員などに知り合いや友人などを紹介してもらう採用手法です。社員の前職、出身大学の研究室における人間関係を起点に候補者を集めてくるため、社員本人と同等以上の技術、スキルを持つ人材にアプローチすることが可能です。

2. ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業から直接候補者にスカウトメールを送信する手法です。ダイレクトリクルーティングツールやSNSを使用して、候補者に直接アプローチするため、候補者からのアプローチを待つのではなく、企業側からアプローチする「攻め」の採用手法といえます。

ダイレクトリクルーティングは、候補者と直接やり取りできるため、応募獲得ができれば、採用までの選考スピードが早い点、求人情報作成から母集団形成、採用までの一連のプロセスを自社で管理するため、採用ノウハウが蓄積されます。

一方で、スカウトメールの作成や一連のプロセス運用に大きな負荷がかかるため、ゼロからスタートすると、採用に至るまでに時間がかかるというデメリットもあります。

3. エンジニア特化型求人サイトや転職エージェント

エンジニアの採用に特化した求人サイトや転職エージェントが多数あり、優秀なエンジニアの中にはそうした求人サイトやエージェントに登録する人材も増えています。

業務内容や採用要件、会社情報を整理しエンジニアに魅力づけをできれば、人材要件に合った人材の紹介を受け易く、一部のサービスを除き、実際に採用するまでコストが発生しません。

一方で、転職エージェントにも多くのエンジニア求人が集まってきているため、競合他社との差別化やエージェントへの働きかけを強化することが重要です。

まとめ

以上、優秀なエンジニアを採用するために企業が行うべきことについて解説しました。エンジニアは需要に対して、供給が不足しており、採用競争が激しい状況です。

世間的に優秀とされるエンジニアを採用しようとすると、苦戦は必至でしょう。現場を巻き込み、自社にとって優秀なエンジニアの基準を明確化したうえで、採用活動を行う必要があります。

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