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【COLUMN】なぜリファラル採用が失敗するのか?失敗事例3選と成功ポイントを解説

自社の社員に友人や知人を紹介してもらうリファラル採用。自社を理解した社員が紹介するため、組織への理解が早かったり、採用コストが抑えられたりというメリットがあるリファラル採用ですが、意外とうまくいかないことも。今回はリファラル採用の失敗事例を紹介し、うまくいかない要因と、失敗せずに運用を成功させるためのポイントを解説します。

リファラル採用の失敗事例3選

そもそも、なぜリファラル採用は機能しないのでしょうか。ここからは3つの事例をもとに、その理由を解説します。

事例①:目的が不明確なため、社員にリファラルの意義が浸透していない

リファラル採用を行う目的は、「採用活動における採用費用の削減をしたい」「専門職の採用を強化したい」「内定率をあげたい」「定着率をあげたい」など、企業によってさまざまです。しかし、これはあくまで企業側の目線。リファラル採用は社員側の協力が不可欠のため、リファラル採用を行う目的や目標が定まっていなければ、紹介する社員はその意義を理解することができず、協力を得ることも難しくなります。

また、リファラル採用においてはインセンティブを設定するなど、従業員が能動的に動くような仕組み作りも重要です。例えば、一人入社するごとに紹介した社員、された社員それぞれに報酬を支払うなどの仕組みを運用している企業もあります。このように、社員の自発的な動きだけに頼るのではなく、時にはインセンティブを設定するなど、リファラル採用をするだけの動機付けをすることも重要になります。

事例②:もともと社員のエンゲージメントが高くなく、紹介につながらない

社員のエンゲージメントが低い状態でリファラル採用を取り入れた場合、社員によっては「本業以外の仕事を強要された」と、ネガティブに捉えることもあり、協力的な社員が減りかねません。また、全社的に目標人数を共有し、採用活動を強制するかのような運用は、社員のエンゲージメントを下げる要因になります。

まずは「自社に知人を紹介したい」と思えってもらえるように、社員のエンゲージメントを高めることから始めましょう。例えば、従業員と1on1ミーティングを行い、社員一人ひとりのキャリアビジョンをすり合わせたり、人事評価制度を刷新し、納得感のある評価制度を構築したりといった、既存社員向けの施策から始めることも効果的だと考えられます。社員の協力がなければ、リファラル採用は機能しないため、エンゲージメントに課題がある場合は社内向けの施策から始めていきましょう。

事例③:量の確保を目的にしているため、集まった人材が求めるレベルに達していない

リファラル採用を実施する場合、量と質のバランスを意識した社内認知を行う必要があります。例えば、どのポジションに、どのようなレベルの人物を採用したいのか。求める人材のレベルはどのくらいなのかといった採用要件を全社的に共有する必要があります。

また、社内の共有フォルダに人材要件をアップするだけでなく、週次や月次単位で繰り返し社内に人材要件を伝えることも重要です。繰り返し人材要件を伝えることで、社員側の理解も深まり、徐々に集まってくる人材の質が向上していきます。

リファラル採用の運用するポイントとは

リファラル採用は社員の自発的な活動に頼る採用手法のため、社員の自発的な協力が欠かせません。ここからはそんなリファラル採用を運用していくためのポイントを解説します。

リファラル採用の目的を定め、短期・中期それぞれで目標を定める

リファラル採用を運用するにあたり、重要なポイントは、「何を目的にリファラル採用を行うのか」を明確にすることです。現状、自社はどのような状況にあり、何が課題になっているのか。そうした理由を言語化し、担当者間で共有することが重要です。例えば、「リファラル採用における採用者を◯名にし、◯円のコストカットを目指す」など、明確な数字で、短期・中期それぞれの目標を設定しておくことで、PDCAサイクルの構築につなげることが可能になります。

自社の社員特性に応じて制度を変化させる

一般的には、リファラル採用に協力的な社員は全体の1〜2割、自らすすんで友人に声がけはしないが、周りに転職を考えている友人がいて、相談を受けたら人事に繋いでもいいという受動的な社員が7割、自社を友人におすすめしたくないと思っている社員が1割…と考えられています。そのため、社員がリファラル採用に対して、どのように感じているのかをアンケートやエンゲージメント計測ツールなどを用いて把握しましょう。その情報をもとに社員に寄り添った仕組みづくりをすることが、促進の土台となります。また、実際にリファラル採用を実施する中で、社員ごとに協力状況は異なるため、全体の傾向を見つつ、リファラル採用の制度を変化させていくことも重要なポイントです。

求める水準や基準を明確化し、定期的に社員へ周知する

自社の課題に沿った仕組みを作れたとしても、それだけでは成功には結びつきません。リファラル採用の場合、候補者の選定は紹介する社員の判断に委ねられています。そのため、社員が求める人材やスキルを正しく理解していない場合、要件に満たない応募が集まってしまう可能性があります。こうしたミスマッチを防ぐため、採用要件を明確にし、定期的に社員へ共有しましょう。

リファラル採用の成功のカギは、社員認知の浸透度合いです。社員が見たくなるような、協力したくなるようなコンテンツを考え、様々な角度から定期的に社内に周知活動を行う必要があります。さらに、人事担当者から社員へ発信するだけでなく、全社間で企業が欲しい人物像を合致させるために、経営層も巻き込むことが非常に重要です。時には経営陣自らが社員に採用目的や要件を伝えることで、全社的な採用協力体制の構築が必要です。

まとめ

リファラル採用は社員の自発的な活動が主軸になるため、制度設計が不十分な場合、制度は作ったものの運用されていない状態になりかねません。企業側は、組織全体で採用方針を一致させ、紹介する側・される側の双方が理解しやすい制度を整えることが必要です。

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