【COLUMN】VUCAの時代とは? 組織や企業のあり方について考える
テクノロジーの進化によってビジネス環境も大きく様変わりをしています。特に近年は、「VUCA」の時代という言葉が急速に広まりテレビやニュースで大きく取り上げられることが増えています。しかし、その「VUCA」について内容を知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなVUCAの成り立ちから組織がVUCAをどのように実践していくのかというポイントを紹介します。ぜひ、自社の取り組みの参考にしてくださいね。
VUCAとは
VUCA(ブーカ)とは、Volatilility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Vompexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字を取った造語で、「先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する言葉です。もともと、軍事用語として使用されていましたが昨今の社会情勢の変化によって、2010年代に入って使われるようになりました。
変動性(Volatility)
変動性は、社会情勢が急激に変化したり、時代を変革するようなテクノロジーが生み出されたりといったことにより、さまざまな価値観や社会の仕組みが変化していくことです。例えば、iPhoneの登場はインターネット・テクノロジーにおいて象徴的な出来事と考えられています。また、ウェアラブルデバイスの発達により、デバイスと融合した生活が可能になりました。こうした世の中の変化を変動性(Volatility)と呼びます。
不確実性(Uncertainty)
不確実性(Uncertainty)は、自然環境や国家制度の不確実な動きのことをです。環境破壊による地球温暖化や新型コロナウイルスの流行など、事前に察知することは容易ではありません。VUCAの時代は、こうした将来の環境破壊の推移や国家の趨勢の変化がより不確実なものに変化していくと考えられています。
複雑性(Complexity)
複雑性とは、様々な要因が組み合わさったことで、考慮すべき要素が増えていき、意思決定が困難になることです。特に、近年はグローバル化の影響で海外の企業とのやり取りが増えています。ビジネス習慣が異なる国とのやり取りが増えていく中で、環境そのものが複雑化しつつあります。
曖昧性(Ambiguity)
曖昧性とは、複雑化していくビジネス環境において、何が正解で不正解かという答えそのもののあり方が変わることを指します。例えば、仕事のあり方、キャリアのあり方も複雑化した結果、誰もが正解と思う答え失われています。昔であれば1つの会社に勤め、定年を迎えるという働き方は一般的でしたが、現代では、そのような働き方はあくまで数ある中の一つの手段というように、働き方そのものが多様化しています。
VUCAの時代はその変化が顕著です。今までのようなセオリーが通用する場面が少なくなっており、常に最善の答えはなにか?と考えることが求められています。
VUCAの時代とはなにか
ここまで、VUCAについて各単語ごとに紹介をしてきました。まとめるとVUCAとは、安定しない不確実なビジネス環境において、常に変化し続け柔軟に対応することが求められる時代だと言えます。世の中の変化が予想できないため、今起きている変化を察知し、素早く対応することが求められます。
企業VUCAに対応するための3つのポイント
変化の激しいVUCAの時代ですが、変わっていく時代に対してどのような対処が必要になるのでしょうか。ここからは3つのポイントを解説します。
ポイント①:テクノロジーへの理解
VUCAの時代の変化はテクノロジーを起点に起きる場合が多いです。例えば、AIやビッグデータ、クラウドの活用によりSaaSサービスが普及したように、テクノロジーの普及によって変化が起こります。
また、イノベーションそのものが「なぜ起きたか?」にも着目することも重要です。テクノロジーそのものの理解は必須ですが、それが社会情勢と結びつかなければ時代の変化は訪れません。そうしたテクノロジーへの理解はVUCAの時代に必要なスキルと言えるでしょう。
ポイント②:状況変化に対応する柔軟さ
VUCAの時代は、複雑化していく環境の中で意思決定を行う必要があります。そのため、これまでの常識や価値観に加え、新たな考え方や場合によっては自分では理解のできないものも考慮する必要があります。ある意味、自分の考え方を状況に応じて変化させられるような柔軟性が欠かせません。
ポイント③:価値観を認める多様性
ポイント②と連動して、状況変化に対応するためには、異なる価値観を認める「多様性」が必要になります。ビジネス環境が複雑化し、いわゆる「正解」がなくなりつつあるため、必要な情報を取捨選択し、バイアスを排除した上で、意思決定が求められます。そうした際に目的に照らし異なる考えを受け入れられるかという「多様性」がVUCAの時代では求められています。
まとめ
テクノロジーの発展に伴い、ビジネス環境が大きく変化しうる「VUCA」の時代。そのため、既存のやり方や風習に拘っていては世の中の変化に対処できない可能性が高くなっています。
むしろ、VUCAの時代だからこそ、常に新しいやり方や変化を受け入れる組織を作ることで、急な変化に対応できる柔軟で力強い組織を生み出すこともできます。そうした変化を前向きに受け入れることも、組織には求められているのではないでしょうか。
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