【COLUMN】働き方改革によって副業はどう変わった?企業が取るべき対策とは
多様な働き方が実現しつつある現代。コロナ禍のリモートワークの普及や法制度改革も合わさって、その動きが加速しつつあります。副業推進の動きは特に加速しており、もはや1社だけで働く時代が終わり、複数社とやり取りをしながら働く時代に移行し始めています。
この記事ではそんな副業推進のきっかけになった働き方改革について、副業を中心に解説します。
働き方改革で副業は増えた?それとも減った?
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が公表され、国家として副業・兼業を推進することが明確化されてから3年が経ち、実際に副業・兼業の動きは推進しているのでしょうか。詳しく解説します。
働き方改革とは
働き方改革は、「一億総活躍社会」を実現するため、労働力不足の解消に向けて実施し得ている取り組みのことです。厚生労働省によると、一億総活躍社会とは以下のように規定されています。
一億総活躍社会は、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会である。 (出典:特集1 一億総活躍社会の実現に向けて 平成28年版 厚生労働白書) |
政府が一億総活躍社会を目指す背景に、深刻な労働力不足があります。現在、少子化などにより労働力が減少傾向にあります。厚生労働省によると、2060年時点での生産年齢人口(15~64歳)の割合は60%となり、65歳以上の割合が39.9%にのぼると推定しています。このような労働力不足に対応する手段として、働き方改革が提唱されているのです。
(参考:序章 人口減少の見通しとその影響 平成27年版 厚生労働白書)
副業・兼業の現状
では、働き方改革によって副業・兼業の状況は変化したのでしょうか。2020年に株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)が実施した「【*新設計版】兼業・副業に関する動向調査(2020)」によると、調査時点で兼業・副業を実施している人は9.8%、これまで兼業・副業の経験はないものの今後実施してみたいと回答した人は41.8%を記録しています。
特に、コロナ禍によるリモートワークが普及し空き時間が生まれたり、自分のキャリアに考える機会が増えたりと、徐々に副業が浸透しつつあります。今後、その動きは加速し、兼業・副業が当たり前になる日もそう遠くないかもしれません。
(参考:【*新設計版】兼業・副業に関する動向調査(2020)概要版 働く個人の9.8%が兼業・副業を実施中 兼業・副業制度あり企業の72.7%が過去3年以内に制度を導)
副業解禁で企業が取るべき対応とは
では、企業が副業を新たに解禁する場合、どのような対応をすればよいのでしょうか。ここからは副業解禁で企業が取るべき対応について解説します。
①副業に関する基準を設定する
まずは自社の「就業規則」にの副業の項目ついて確認をしましょう。もし副業を禁止している場合は、就業規則を変更します。ただ、従業員が会社に副業報告をしない場合想定外の損害をこうむる場合があるため、あらかじめ会社へ副業を届出する、許可を要するというように許可をとるのがおすすめです。
また、副業を解禁すると同様に会社が副業を禁止、制限できる場合も定めておきましょう。例えば、副業によって本業に支障が生じる恐れがあったり、競合他社での副業を禁止したりというようにあらかじめ副業ができる範囲を定めておくことも有効です。
②従業員へ制度の説明を行う
副業解禁を決定したら、就業規則を変更する旨を従業員に説明を行います。ここでは就業規則で規定する内容や、情報漏えい等についてレクチャーを行います。
③労働時間、健康管理も検討する
副業を解禁した後も、企業は労働時間や健康の管理を行います。例えば、労働時間の管理では副業先での労働時間を把握したり、副業先で健康を害する出来事がないかといった健康管理も行います。また、就業規則通りにルールが守られているかも管理することが必要です。
まとめ
働き方改革によって副業が実現したことにより、自社の社員が他社で働くことで情報漏えいや過重労働の懸念はあるものの、優秀な人材を業務委託で雇用できたり、経費削減につながるといったメリットもあります。組織のフェーズや状況に合わせ柔軟な対応が必要になります。
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